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【日々のこと】ばあちゃんの遺影の制作。

2020年のお盆さいごの仕事は、祖母の遺影制作でした。

夜、祖母の、おばあちゃん急逝の報せ。
その日の午前中、たまたまばあちゃんに会いに娘たち(1歳と3歳)を連れて行った、まさにその日。
突然のことすぎて、悲しみよりも驚きが上回ったまま、病院に急ぎました。

出先で倒れ、居合わせた伯母(=祖母にとっての娘)の腕の中で息を引き取ったということでした。
独りで逝かなかったことはよかったんじゃないかな、と親戚で話しました。

遺影用の写真を祖母宅でさがしていると、枕元に祖父と祖母の二人が写った台紙仕上げの写真がありました。
若い頃の写真で、玄関先で父が撮ったものでした。
10年以上前に亡くなった祖父を「顔わすれてしもたわ〜」と笑っていた祖母でしたが、
じつは、夫婦の写真を枕元に置いていたと、亡くなってはじめて知ることになりました。

遺影に使用したのは、今年のお正月に撮った家族写真から。
正月恒例の親戚の集まりで、毎年、家族で集合写真を撮っています。
少しだけ微笑んで、まっすぐ前をみた、ばあちゃんらしい顔でした。

ほんとうは、遺影用に撮ったスタジオ撮影のものがあればよかったのですが。
普段顔を合わせているがゆえに、逆に、なかなか遺影の写真を撮っていませんでした。
身近であり、さしたる持病もなかったので、ぼくにとって、ばあちゃんの「死」は遠いものでした。

ばあちゃんが亡くなってから、病院の処置後と、通夜のときに、2度顔をみました。
亡くなり方もあってか、本当に眠っているような顔でした。

通夜のときの顔は、納棺師の方が顔そりやシャンプーをしてくださり、
化粧もしていただいた、ほんとに美しい顔でした。
肌もツヤツヤしていて、そこにプロの仕事をみました。

遺影の制作はいつも急ぎ仕事になります。
でも家族には、その写真が、この先ずっと残っていきます。
急ぎのなかでも、精一杯美しいものを仕上げる。
ばあちゃんの遺影を作りながら、技術との格闘が続くことの重みを噛み締めました。

もうひとりの祖母(97歳)に報せを入れ、「まだ若いのになあ」と言ったのがハイライト。
「まだ若い」91歳のばあちゃんの逝去でした。

Yohei

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